「依存症ビジネス」のつくられかた。 熱中していることと、依存の違いって何でしょうか。
依存症、今ではどこでも聞きますよね。
薬物依存症、アルコール依存症、ギャンブル依存症、セックス依存症・・・
はたまたネット依存症、ゲーム依存症、SNS依存症などなど。色んな依存症が出てきます。
実は僕は大学生後半で、かなりパチンコにハマってしまい、自分で依存症じゃないのか?と思ってました。当時は毎日行ってましたからね・・・今では月1程度になりましたが(本来なら止めた方がいいのだが)、あの灰色の生活はもう戻りたくないなあとつくづく思います。やめたくてもなんか行っちゃうんですよ。ソワソワして。あの感じはホントに嫌ですね。。
まぁ幸いながらその経験がきっかけで、依存症についても興味を持って色々と調べるようになりました。
この「よくわかるギャンブル障害」は医療に携わる著者の視点から、データと根拠に基づいて依存症に触れられているとても良い本です。
作者曰く、世の中でよく言われる依存症には医学的には「依存症」とは言えないものがあると。依存症ではなく行動嗜癖(アディクション)に分類されると。
その分かれ目は、行動を辞めた時に虚脱症状が出るかどうか。
薬物依存症なら、止めても幻覚をみたり。アルコール依存ならお酒を止めて、寝た時にびっしょり汗をかくとか。ギャンブル依存症はそういった身体的な虚脱症状は出ませんので、医学的には行動嗜癖に分類されます。
そこで今回のタイトルなんですけど、邦題は「依存症ビジネス」ってなってますが取り扱う中身はネットとか、スマホ、インスタ等のSNSなのでどちらかと言えば行動嗜癖テクノロジーに分類されますね。
いかに人の行動嗜癖を強化して(イイね!やレビュー数など)ハマらせるかなどについて言及されている本です。
この中にスティーブ・ジョブズの話が出てくるんですけど、スマホを生み出したジョブズは子供にはスマホを持たせていなかったそうです。それどころか、家庭内での電子端末は厳しく制限していたんだとか。スマホや電子機器がどれほど私たちを「ハマらせる」ことができるのか、生み出したものとしてよ~~く知っていたのでしょうね。
依存症や行動嗜癖について調べているとつくづく思うのが、熱中と依存は紙一重だということです。そしてその人が生きる社会によっても周囲の見方は変わってくる。
例えば男子高校生がご飯と寝る以外の時間は全部「野球」に熱中していたとして、周囲の人はそれを「野球依存症」と呼ぶでしょうかね?
でもこれがゲームに変わると、ご飯と寝る以外の時間は全部「ゲーム」に熱中していた・・・これは大抵の人が、アイツは「ゲーム依存症」だ!って思いますよね??
興味の対象が違うだけでこんなに周囲の印象が変わるのも、なんだかやるせないなあって思っちゃいますね。結局のところ、その行動に「熱中」してるのか「依存」してるのかは、本人にしか判断できないのかな。と思いますね。おわり。