投資のリスクって何だろう? 「投資で一番大切な20の教え」
リスクって何だろう。
よく言われるリスク。失業リスク、投資のリスク、事故のリスク・・・
リスキーな行動、ローリスクな選択・・・などなど巷では色々使われている。
辞典で調べてみると、リスクとは「損害を受ける可能性」と出てくる。
普段僕たちはどういう時にリスクをイメージするだろう。
例えば社内恋愛。社内恋愛はリスクが高い!と言う友人がいる。別れた時に同じ部署だと気まずくなる、社内の人に冷やかされる、邪魔される・・・そういったことでリスクが高いと言っているのだろう。しかし、疑問に思うことがひとつ。何をもってリスクが高い、低いと比較できるのか。恐らく彼の中に比較対象があって、それに比べて社内恋愛はリスクが高いといっている。ここが大事なポイント。
では彼の比較対象とは何か。彼は社外で恋愛をする方が大胆にアプローチできるし、別れた時も後腐れがないと言っていた。つまり、彼は「社内恋愛は上手くいかなかったときに自分の人間関係、職場関係に対するダメージが大きくなる可能性が社外の恋愛より高い」と思っていたわけ。リスクは「損害を受ける可能性」と辞典にもあったが、バッチリそれが当てはまる。
それをふまえると、今後色々なリスクは、ただ「損害を受ける可能性」と考えるのではなく、自分が「何に対して」損害を受ける可能性を恐れているのか。これをじっくり考えておく必要がある。そうしないとリスクの罠にハマる。
前置きが長くなったが・・・それでは、「投資のリスク」って何だろう。
投資におけるリスクとは、「資金を失う可能性」のこと。
それを踏まえると、金融市場でよく言われること
「リスクの高い資産は、より高いリターンをもたらす」
不動産バブル、最近ではビットコインなどでさんざん言われてきた。
この言葉、どこかおかしくないだろうか?
ハワードマークスは『投資で一番大切な20の教え』でこう述べている。
「リスクの高い資産が確実に高いリターンを生み出すというのなら、その資産は高リスクとは呼べないからである。」
投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識
- 作者: ハワード・マークス,貫井佳子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/10/23
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
リスクの高い資産を「資金を失う可能性の高い資産」と言い変えるなら、「資金を失う可能性の高い資産は、より高いリターンをもたらす」とはかなり奇妙な話。
現在の価値からみて、企業価値や市場からの評価が上昇する可能性が高い資産。それこそが高いリターンをもたらすのであって、決してリスクが高い資産が高いリターンをもたらすわけではないのだ。
むしろリスクが低い資産、市場から評価されておらず、これ以上価値の下がりようがないような資産。でも良質的な企業価値を保持している資産。そんなリスクが低い資産(資金を失う可能性が低い資産)の方が、リスクが高い資産よりもこれからのリターンは大きくなる。
今回は少し堅苦しい話になってしまったがこれにて。